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ノノが年少になって、保育園の防災訓練プリントが毎月配られるようになった。私は机の隅に積み重ねていた。「いずれ見ます」と思いながら。
それが今年9月、千葉は台風で停電した。丸2日間、家の中は真っ暗だった。スマートフォンは朝のうちに20%になり、冷蔵庫は開けられず、トイレは流せない。ノノは「ままあ、こわい」と何度も私に抱きついた。ハルは懐中電灯を持って、半ば興奮気味に「やってみようゲーム」をはじめた。夫は呆然とテレビのコンセントを抜き差ししていた。(テレビは電気があっても映らないのに。)
その夜、私は防災プリントを全部読んだ。子ども2人、そして親世代までも含めて、我が家に本当に必要なものは何かを、初めて真剣に考えた。ポータブル電源。非常食。簡易トイレ。保存水。あのプリントに全部書いてあったのだ。
今日の記事は、防災グッズの中でも、特に「災害時に電気がない」という絶望に直面した私が、選び抜いたセット&ポータブル電源について、容量別・目的別に語りたい。家族構成や暮らしの優先度で、何を選ぶべきかの判断軸を提示する。
地震対策30点避難セット|グッドデザイン賞のおしゃれリュック
最初に出会ったのが、この「地震対策30点避難セット」だった。楽天市場で評価★4.5/レビュー1515件という圧倒的な信頼数。なぜこんなに選ばれているのか。理由は単純。リュックがおしゃれで、部屋に置いても「防災セット感」が出ないのだ。
グッドデザイン賞を受賞した防炎ターポリンリュックは、8色から選べる。私が見た時は、ピンクとオレンジで迷った。(結局、ホワイトを妻が買いました。リビングの棚に置いても違和感ゼロ。)
セット内容は、本当に「考え抜かれた」という印象。防災士が厳選した30点が、サイズ290×385×130mm、容量約14Lのリュックにコンパクトに収まっている。缶詰ソフトパン(新食缶ベーカリー)のプレーン・オレンジ・黒糖、簡易トイレ、保存水、懐中電灯、笛、ティッシュ、手指消毒液、アイマスク、圧縮タオル、レスキューシート……本当に30個ある。
「1人用」という表記だが、我が家は3歳と6歳の子どもがいる。このセット1個では足りない。ただし、避難所での「最初の一夜」を過ごすには十分。実際、台風停電の時に「あれば心強かったな」と思った内容ばかり。
2026年10月時点 約22,000円。5年保存で、定期的に入れ替える必要がない安心感も大きい。
パンとごはん1週間|被災生活の「飽き」と栄養不足に徹底対抗
避難セットと別に、我が家が最優先で買ったのが「パンとごはん1週間 21食」だった。理由は子ども。
ノノは食べ物に こだわりが強い。「これ、いつものじゃない」と言うと、2日間は食べない。ハルも同様。被災時、もし同じ非常食ばかり与えたら、栄養摂取前に心が折れるのではないか。そう思った。
このセットは、ごはん5袋、アルファ米おにぎり3個、もっちりつや炊きおにぎり3個、パン10個を組み合わせている。朝・昼・晩で異なるものが食べられる設計。楽天市場で評価★4.53/レビュー320件。
子どもの食事が安定すると、親の心理的負担も下がる。実際、台風の時に「もし3日分の食料があれば」と思った。我が家は2人の子どもで、このセット×2個あれば、一家4人で3日分をカバーできる計算。
保存期限は5年。定期的に食べて入れ替えるサイクルを作るのが理想だが、夫は「賞味期限1年前になったら、友人のキャンプに持ってけ」と提案した。なるほど。完全に腐らせるより、キャンプで試食する方が、心理的にも家計的にも無駄がない。
2026年10月時点 約8,316円。家族の人数や備蓄期間に応じて、複数購入を推奨する。
バラエティセット10|防災士監修・最小限だけど本気の3日分
「パンとごはん1週間」は、毎日違う味が食べられるのが利点だ。一方、このバラエティセット10は、ボリュームより「防災士による配慮」を打ち出している。
楽天市場で評価★4.57/レビュー269件。防災士の資格を持つスタッフが、栄養バランス・調理の簡便さ・味の良さを基準に10食を厳選したという触れ込み。セット内容は、アルファ米、パン、パスタに加えて、被災時に不足しがちな野菜ジュースと、保存水6Lを含む。
特に「野菜ジュース」に注目した。被災時、心身の健康は食事の「変化」と「栄養」で決まる。同じ白いご飯ばかりでは、気が滅入る。野菜ジュースの酸味と色が、心理的な「変化」をもたらす。防災士の「配慮」はここに詰まっている。
コンパクト設計で、備蓄スペースを圧迫しない。1人なら3日分、2人なら1.5日分が目安。子持ちの我が家では、このセット×3個で一家4人の3日分がカバーできる。
ただし、「量より質」という印象。ボリュームを求める場合は、先ほどの「パンとごはん1週間」をお勧めする。こちらは「とにかく栄養と心理面で、質の高い3日を過ごしたい」という方向け。
2026年10月時点 約6,965円。防災士監修という「専門家の判断」を信頼できるなら、この価格は安い。
防災グッズ1人用セット|初心者向け・24点すべてが「本当に必要」なもの
「何を買えばいいかわからない」という人、多いと思う。私も台風の直後、ホームセンターで立ち尽くした。懐中電灯、電池、ラジオ、水、食料、トイレ、薬……どこまで買う?いくら使う?
こういう時に便利なのが「セット商品」。この防災グッズ1人用セットは、楽天市場で評価★4.5/レビュー242件。アルファ米2個、保存水500ml、緊急トイレ袋、タオル、カイロ、マスク、軍手、笛、LEDランタン……24点がリュックに詰まっている。
「24点」と聞くと「多い」と思うかもしれないが、中身を見ると無駄がない。被災時、意外に活躍するのが「口腔ケア用品」。歯磨きできない状態が3日続くと、気が滅入る。清浄綿、ウエットティッシュ、手指消毒液も、心理面での「清潔感」を保つために、極めて重要。
実際、台風の時に「シャワーが浴びられない」という不安が、思った以上に大きかった。このセットに「ウエットティッシュ」が入っていたら、どれだけ心強かったか。
一人暮らしの方、帰宅困難対策として会社に常備する、あるいは両親にプレゼントするなど、用途が広い。
2026年10月時点 約7,980円。セット内容は定期的にアップデートされるので、購入前に最新内容を確認することをお勧めする。
EcoFlow ポータブル電源 DELTA 3 Classic|家族の「電気がない」に終止符
防災セット、非常食をそろえても、根本的な問題が残っていた。「スマートフォンを充電したい」「冷蔵庫を動かしたい」「懐中電灯以上の光がほしい」──つまり、電気そのものが必要なのだ。
台風の翌日、夫が楽天で検索を始めた。「ポータブル電源、買おう」と。私は最初、「高い」と思った。しかし、丸2日停電を経験した後は、その考えは吹き飛んだ。
EcoFlow DELTA 3 Classicは、容量1,024Wh、定格出力1,500W。楽天市場で評価★4.65/レビュー948件。世界で330万台が選ばれているという圧倒的信頼。
特筆すべきは充電速度。約45分で80%、約60分で0~100%の業界最速クラス充電を実現する。AC充電・ソーラー充電・走行充電の3つの充電方式に対応。つまり、停電時でも、車があれば充電できるし、ソーラーパネルがあれば昼間に充電できる。
定格1,500W、X-Boost機能で最大2,000W対応。ドライヤーやIHクッキングヒーター級の高消費電力機器でも動かせる。実際、冷蔵庫を丸1日動かし続けても、バッテリーが持つ。
我が家の場合、子ども2人、親世代で計4人分のスマートフォン充電、ノートパソコン、小型冷蔵庫、小型テレビ、扇風機……これらを同時に4時間程度稼働させる用途を想定した。1,024Whあれば、十分カバーできる。
ただし、価格は2026年10月時点で約160,300円。決して安くない。ここは「防災対策への投資」として、家族会議で判断する必要がある。1,024Whは「ファミリー向け」の標準容量。容量が大きいほど高くなり、小さいほど安くなる。我が家は「月1のゴルフ+年1のキャンプ」も視野に入れて、この容量を選んだ。
夫は「これなら、停電の時も、キャンプの時も、災害時も使える。3倍得した気分」と言っている。ポータブル電源は、防災グッズの最終兵器。ここまで来れば、本当の意味で「家族を守れる」という安心感が生まれる。
容量別・家族構成別の選び方ガイド
防災グッズの選び方で最も大切なのは、「自分たちのライフスタイル」と「最悪の事態の想定」のバランスを取ることだ。
【一人暮らし・帰宅困難対策向け】最小限で十分。まずは「防災グッズ1人用セット」(約8,000円)+ 「バラエティセット10」(約7,000円)で15,000円。スマートフォン充電用に、小型モバイルバッテリー(別途)を加えれば、3日間の在宅避難をカバーできる。
【2~3人世帯・在宅避難メイン】「地震対策30点避難セット」(約22,000円)+ 「パンとごはん1週間」(約8,300円)で30,000円強。子どもがいる場合は、非常食を2セット購入し、計40,000円程度に。ポータブル電源は「後々検討」でもよい。
【4人家族・長期停電を想定】我が家の選択。避難セット1つ+非常食3セット(約25,000円)+ポータブル電源(160,000円程度)= 計200,000円弱。大きな投資だが、キャンプやアウトドアでも使える汎用性と、心理的安心を天秤にかけると「あり」の判断。
防災グッズの本質は「最悪の事態に、家族がパニックに陥らないこと」。その投資に、いくら使うかは、家族の価値観次第。我が家は、ノノの「ままあ、こわい」という言葉と、台風の2日間を思い出すたびに、この決断が正しかったと思う。
防災グッズは、「買った瞬間」が防災ではない。その後、家族で「どこに置くか」「いざという時は誰が持ち出すか」「定期的に中身を確認するか」を話し合うことが、本当の防災対策。非常食の賞味期限が来たら、「キャンプで食べよう」「友人にシェアしよう」と、ポジティブに入れ替えるサイクルを作る。そこまでいって初めて、防災セットは「家族を守る盾」になるのだと、台風を通じて学んだ。
我が家の防災対策は、まだ道の途中。だが、今この瞬間「ノノが怖がったら、すぐにどこへ何を持ってどう行動するか」が、頭の中に詳細に描ける。それだけで、心はずいぶん楽になった。


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